年齢と歯列矯正

大人の矯正と子供の矯正の違い

笑顔の女の子

歯列矯正は大人も子どもも受けることができますが、大人の矯正と子供の矯正には目的に違いがあります。 いったいどのどのような違いがあるのでしょうか。こちらでわかりやすく解説していきます。

子供の矯正

歯列矯正の治療法は歯並びや年齢によって違いますから当然子供向けの矯正も 用意されており、これは大人になってからは体験できないので貴重だと考える 治療フェチも少なからず日本にはいるそうです。 子供の歯の矯正のことを小児矯正といいますが、これには顎の骨のバランスを 整える骨格矯正の1期治療とその後の2期治療に分けられます。 1期治療は永久歯が揃う前、年齢で言うなら一桁のうちに行うのがノーマルで それよりも大人になってからはこの治療をすることは出来ません。 乳歯が生えてきたり抜けたりする時期に行われる1期治療は歯そのものを移動 させることを目的にしておらず、その土台を整えるために行われます。 顎の骨が正常な発育をするように手助けをする、これが一番の目的になるので 永久歯が生え揃う前から開始するのです。 どんなに乳歯を矯正してもやがて抜け去ってしまうので、その治療は短期的にしか 意味が無くわざわざ歯科医院へ通院してまでやり遂げる必要はありません。 矯正するのなら永久歯から、それでいいのです。 2期治療から歯列を整えるために歯を動かすことになり、これは大人が行う治療 と同じになります。 乳歯ではなく永久歯を矯正するのでこちらは意味があり、虫歯治療と同等の重要度 なので機会さえあればどんどんやるべきです。

大人の矯正装置

幼児ではなく大人になってから行われる矯正治療は成人矯正、2期治療と呼ばれ、 対象になる歯は乳歯ではなく永久歯、それも前歯が多いようです。 二十歳を待つまでもなく10代に差し掛かる頃には子供の歯と形容される乳歯は 全て抜けてしまいますし、大人が歯科医院で診てもらうのは矯正でも虫歯治療でも ほぼ永久歯だけに限られます。 幼少の頃に歯列矯正をするタイミングを逃した人や近所に歯医者さんがなかった人、 当時はあまり気にならなかったけど最近人前に出ることが増えたため問題が発生 した人、芸能界でデビューするにあたり歯並びを整えるよう指令を下された人 なんかが大人になってから、歯科医院で歯列矯正の治療を受けるようです。 考えようによっては技術が発達した現代に治療を受けるほうが昔に通院していた よりも短期間で終わらせられそうですし、何も損はしていないので20代や30代 で歯列矯正を始めるのも悪いことではありません。 年々治療技術は進歩しているのでどの年齢にも対応可能ですし、治療法の幅も増え 必要な期間も短縮されております。 ただし1期治療のように顎の骨をどうこうは出来ませんので、骨格ごとの矯正を するにはもう育ちすぎとなります。 土台やスペースに不都合があるのなら、場合によっては抜歯して歯列を調整 することになります。

外科矯正

2期治療では手に負えないケース、顎の骨格に原因があり歯列が乱れている場合 歯科医院ではワイヤーやマウスピースでの矯正を諦めるよう進言してくるでしょう。 でもそれは「あなたの歯並びを治す方法は現代の医学にはありません、これから 一生そのままなので諦めましょう」というのとは違います。 通常の2期治療で無理なら外科手術で応じればいいのです。 歯科助手さんや歯科医師さんの守備範囲からそれてしまいそうな外科手術ですが、 歯列矯正のために行われるので歯の治療に分類されます。 外科手術で顎の骨を整えて歯並びを良くするので麻酔も付きものの痛そうな矯正法 は子供も大人も恐怖を感じそうで、出来れば回避したいと願うでしょう。 でも審美的にもあまり好ましくない出っ歯と呼ばれる上顎前突症や、下顎前突症 で悩んでいる人はその恐怖を乗り越えねばならない時がやってきます。 軽度なら乗り越えずにそのままお笑い芸人を目指してブレイクする、という夢を 見てもいいですがこれで成功するのは至難の業で、可能性は1%あるかないか と予想されますしあまりいい考えではなさそうです。 それよりも平凡なサラリーマンとして生きるため外科矯正と矯正装置を組み合わせた 治療を受けた方が、安定した生活を送ることができるでしょう。 顎変形症と歯科医師に診断されたのなら保険も適応できるので、手術をしても そこまで高額な負担を強いられることもありません。