クリアブラケットとは

もともとはマルチブラケット法として歯列矯正で活躍していましたが、装置が視認されやすい色だと目立つのでなんとかしてほしいという多数の患者さんの要望に応えて、より透明なクリアブラケットが開発されました。どんな仕組みになっているかというと矯正したいと思う歯を歯科医院で診てもらいその歯にブラケットを装着し、そこにワイヤーを通してキレイな歯並びになるよう長時間力を加えます。このブラケットが昔は金属製だったので、装着している人がドーナツを食べたり早口言葉に挑戦するとそれを見守る周りの人に「あっ、今歯列矯正中なんだな、歯の表面に金属っぽい光が見えた。芸能人みたいに白い歯で光を反射したのではなくあきらかに銀色の金属っぽさだった。」とすぐに見破られていたのです。 これが我慢できない患者さんも多く、可能な限り目立たないように歯科医師さんに懇願する患者さんがとっても多かったので、金属製ではないクリアブラケットが審美的な理由で開発されたのでしょう。完全に透明で触らなければそこにあるのが分からない、とまではいきませんが早口言葉を唱えるようにせわしなく口を動かしながら喋れば、たいていの場面ではばれずにやりすごせるので好評のようです。口を高速で動かすことが出来なければ、口元を観察されないように面白くて興味深いトークを繰り出しても同じ効果を得られます。
目立たないワイヤー
透明に近いブラケットを使ってもワイヤーの存在を隠せなければあまり意味がないのではと、歯科医院に行くことを躊躇している歯並びのよくない人達もまだまだたくさんいらっしゃるでしょう。 噂では見えにくい材質のブラケットがあるらしいけど、それだけじゃ隠しきれるとは思えないし矯正治療は気が進まないな、となかなか踏ん切りがつかずに予約の電話をかけられないで、夜な夜な自分で歯を指で押して整えようとしているうちに数年が過ぎてしまった、なんて人もいそうです。ですがクリアブラケット用に目立たないワイヤーも用意されているので、セットで使用すればまるでカメレオンのように歯や歯茎に溶け込ませられます。いくらブラケットが透明でもワイヤーがはっきり見えてしまえば意味はなく、そこも当然のようにフォローしてくれる品があるので安心です。通常だと銀色で気を惹いてしまうワイヤーですがピンク色や金色もあり、そうした物をクリアブラケットと併用することでより周囲に発見されにくい矯正装置になるのです。特にピンク色なら歯茎のようで不自然さは皆無、誰の口内もそんな色だから余計な詮索を受けることもなく、「あの人歯科医院に通院してるらしいけど奥歯に虫歯でもあるのかな?それともお目当ての歯科助手さんでもいるのかな?」と思われることはあっても、歯列矯正を受けてるとは思われないでしょう。
治療は短期間
従来のマルチブラケット法よりも最新のクリアブラケットなら治療に要する期間も大幅にではありませんが、短縮されるようなので当事者にとっては嬉しい報せになるのではないかと思われます。 どんな仕組みで治療期間が短くなるのか、その秘密はワイヤーとブラケットの素材にあるようです。 このふたつの摩擦が少なくなるように改良されているので、歯列を正す力が効率よく歯に伝わって歯並びをどんどん美しくしてくれるのです。 力が素直に伝達すればそれだけ矯正も短期間で済みますから、この部分の摩擦が少なければそれだけ治療もスムーズに進みます。 どんなに大きな力を発生させてもそれを目的地に届けられなければあまり意味がなく、また摩擦などで途中で失われるパワーが多くてももったいないです。 従来のワイヤーとブラケットよりも円滑に力を伝えられるような材質で装置を製造すれば、その問題は無いも同然です。 そしてこの点はこれからも改良され続けるでしょうから、ますます治療期間が少なくなっていくことが期待されます。 最終的に摩擦0の装置が開発されるかもしれませんしそうならないかもしれませんが、今の装置でも充分な摩擦だと思われます。